遺産分割協議を行おう②
遺産分割協議を行う際の注意点
(遺産分割協議を行おう①のつづきです)
遺産分割協議を行うにあたって、気を付けておくことをまとめておいたよ。
せっかく協議を行っても、協議自体が無効になったり、記載の不備で遺産分割協議書として認められない場合があるから注意しよう。
遺産分割協議の参加者について
遺産分割協議に参加していない相続人がいると、その協議は無効なものになります。
- 遺産分割協議には相続人”全員”の参加が必要
相続人とは法定相続人のことです。相続権利者が一人でも欠けていたら協議は成立しません。
ただし、相続人の1人が分割前に推定相続分を処分していたら、譲り受けた他人が協議に参加します。 - 相続放棄した人は除く
相続放棄をするとその人は相続人ではなくなるので協議に加わる必要はありません。ただし、戸籍からではこの人が相続放棄したことは分からないので、相続放棄陳述受理証明書が必要になります。 - 認知症その他の事由で意思能力のない人がいる場合
その人に変わって成年後見人が遺産分割協議に参加します。
後見人を付けていない場合は、先に裁判所に後見開始申立の手続きが必要です。 - 相続人の中に未成年の子がいる場合
親権者が子の代わりに遺産分割協議に参加します。
親権者と未成年の子が両者とも相続人だった場合、子の代理は利益相反行為になるのでできません。
この場合は裁判所に特別代理人選任の申立てが必要です。
特別代理人になるには特に資格はいらないので、事情を熟知している他の親族が選ばれることが多いです。 - 相続人の中に胎児がいる場合
まだ生まれていなくても胎児には相続権があります(民法886条)。
この場合、胎児に代理人つけることは無理なので、出生するまで遺産分割協議はできません。
無事、生まれてきてから親権者が代理人となるか特別代理人を選任して遺産分割協議をすることになります。
遺産分割協議書の記載について
遺産分割協議書は、被相続人の銀行口座の解約や不動産の登記名義人を変更する際に、自分が権利者であることを証明するために使用します。
この記載に不備があると、権利者と認められないことがありますので注意が必要です。
- 遺産分割協議の合意が成立した日付を記載する
- 被相続人の本籍・最後の住所・氏名・死亡日を記載
- 遺産分割協議書には参加者全員の記名・実印で押印が必要
遺産分割協議書には全員の印鑑証明書を添付します - だれが、どの財産を、どれだけ貰うかを記載
通常は、貰う人ごとに記載する。(相続人Aの取得する財産…相続人Bの取得する財産…)
財産は特定する必要がある。
銀行口座なら銀行名・口座番号、不動産なら登記事項証明書記載の通りに記載する。
ただし、包括的に貰う場合はその旨の記載「相続財産の全部を取得する」で大丈夫。
当事務所では、遺産分割協議の相談および遺産分割協議書の作成を行っております。
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