遺産分割協議を行おう①
家族が亡くなって相続が発生したときに、遺産分割協議って必要なの?
父の葬式も終わって、父の銀行口座からお金を降ろそうとしたら窓口で「遺言書か遺産分割協議書をお持ちですか?」
って言われたんだけど、なんででしょう?
口座の名義人が死亡すると、その口座に入っている貯金は相続財産になるから、銀行としては相続人に引き渡す手続きが必要になるんだよ。
引渡しを受けるには、原則として相続人全員で行う必要があるんだ 。
相続人全員って…うちは兄弟が多いし遠方にみんないるから葬儀のときは集まったけど、いちいち集まって銀行いくなんで無理だよなぁ。
”相続人全員で行う必要がある”っていうのは、遺言執行者が決まっていなかったり、これが相続人複数の共有財産だったりするときだね。
だから、もし遺言書があって受遺者が一人だったり遺言執行者が決まっていれば、その人が一人で手続きすればいいんだよ。
父は遺言書なんか残してないと思うんだよな。遺品整理してもそういったものは出てこなかったし。
となると相続人全員の共有財産ということになるね。
何もしなければ法定相続分どおり分配することになるけど、これだと何かと面倒なので遺産分割協議を行う事が多いよ。
そして遺産分割協議の中で誰が口座のお金を引き取るか決めておけば、その後は受け取る人が銀行で手続きすればいいんだ。
でも遺産分割協議って大変なんじゃないの?弁護士たててやらなきゃいけない感じがして…
遺産分割協議は、”相続人全員で遺産の配分について話し合って決める”ってことだから、特に問題なければ弁護士さんを頼む必要はないよ。
ただ、「遺産をめぐって兄弟で揉めている」とかの場合は代理人を立てて話したほうがいいよ。
代理人を立てるときは弁護士に頼むことになるね。
また、話し合いで決まらなかったら、裁判所に遺産分割調停を申し立てることもできるよ。
こちらは裁判所の調停委員が仲介に入って行う手続きだね。
うちは揉めてる、ってことはないから大丈夫だと思いますね。
長男である私が父の財産は全部受け取る、って話になってるから。
相続人の間で話がついていても、それを銀行とかの第三者に説明・証明するには、遺産分割協議書が必要だね。
この遺産分割協議書に書かれている内容を見て初めて、他の人は誰が相続財産を引き継いだかを確認することができるんだ。
遺産分割協議書には
・遺産分割に合意した日
・分割する相続財産の内容(誰がどの財産をどれだけ取得するか)
・相続人全員の住所・氏名・実印での押印
が必要になるんだ。
そしてこれと全員の印鑑証明書をセットにすることで、第三者に遺産分割が行われたことが証明できるようになる。
遺産分割協議書があれば、後はその財産を取得する人が各種手続きを行えばいいよ。
銀行口座の解約・払い戻しだったり、不動産なら名義変更とかね。
家族間で揉めてない場合でも、手続きの煩雑さを解消するためにも遺産分割協議書の作成はしておいたほうがいいね。
遺産分割協議書を作る必要性は分かったけど、また家族一同集まるのは来年の正月とかになりそうなんだよな。
遺産分割の内容に全員が納得していれば、物理的にみんなで集まって話し合って書類に判を押す必要はないよ。
全員が合意している内容の協議書を、郵送などで持ち回りで署名押印してもOK。
大事なのは全員の合意が得られている、ってことだから。
それなら何とかなりそうです。
協議書に署名押印してもらうよう他の兄弟に連絡してみます。
相続が発生したとき、遺言書があれば遺言書の内容に従って遺産を分配します。
遺言書がない場合は、何もしなければ遺産は相続人全員の共有財産となります。
共有財産は管理・処分が煩雑になるので、特に理由がなければ遺産分割協議を行って単独所有にしたほうが便利です。
当事務所では、遺産分割の相談・遺産分割協議書の作成・相続登記手続き・遺産承継業務を行っております、お気軽にご相談ください。