遺言書をつくろう③自筆証書遺言書

遺言書の種類のうち、自筆証書遺言書は自分の手で書く遺言書です。これが遺言書と認められるには一定のルールに従って作成する必要があります。

終活の一環としてとりあえず自筆証書遺言書を書いてみようと思います。

しろくま先生

それは良いことですね。
ご自身の意思を家族に残しておくことで、いらぬ揉め事をさけられることが多いですからね。
また、とくに相続財産でもめないご家庭であっても遺言書を作っておくことで手続きもスムーズに運ぶので、残された家族の負担を軽減することもできますよ。

しろくま先生

自筆証書遺言書は文字通り自分の手で書く遺言書です。
いわゆる手書きですので、文面などはワープロやパソコンなどは使わずにボールペンやインクペンで書く必要があります。

全部手書きですか…、けっこう大変ですね。

しろくま先生

元々は全て手書きで書く必要がありました。
が、やはりそれだと書く人が大変すぎますよね。
そこで改正されて、今は財産目録だけは手書きじゃなくても良くなりました。

手書きじゃない、ってのはどういう意味ですか?

しろくま先生

財産目録自体をパソコンを使って作成したものをプリントアウトしたものや、預金通帳や不動産登記事項証明書など財産が記載されているものをコピーしたものでも大丈夫になりました。
そしてその財産が記載されている用紙すべてに署名と押印をして遺言書に合綴します。

預金口座番号とか不動産の表示とか、手で書くのは大変ですし、もし書き間違ったとしたら面倒ですからね。

しろくま先生

そうですね、もしそこ間違っていたら財産が特定できなくなって相続人が貰う事ができなくなる危険がありますからね。その心配や負担がなくなっただけでも良くなりました。

逆に、その他の部分については手書きで書かなければならないんですね。

しろくま先生

そうです、そのほかの誰に相続(遺贈)するか、いった遺言書の内容や作成した日付、そして自分の氏名はあいかわらず手で書く必要があります。
そして押印して出来上がりです。

遺言書の用紙はなんでも良いのですか?

しろくま先生

用紙に関しては特に規定はないです。
せっかくだから綺麗な便せん風の用紙を使う人が多いですが、ノートの切れ端やメモ用紙でも認められます。
何かの裏紙、っていう方もいました。
ただし法務局の遺言書保管制度を利用するなら、「用紙がA4で裏面記載がないもの」と決まっていますのでそこだけ注意が必要です。

書いた遺言書は封筒にしまっておくものなのでしょうか?

しろくま先生

保管の方法についても時に規定はないです。
他の人に内容を見られたくないのであれば封筒に閉まって封をする必要があります。
封をした遺言書は他の人は開封してはいけないルールになっていますので。
もし他の人が内容見てもいいよ、というのであれば特に封をしてしまっておく必要ないです。

しろくま先生

せっかく書いた遺言書ですが、自分がなくなった後にその遺言書の存在を誰も知らなかった、とならないように注意が必要です。
誰も見つけてくれなければ遺言書の内容どおりに遺産相続はされませんから。
なので内容はともかく、遺言書を書いてあることと保管場所くらいは誰かに伝えておく必要があります。

うちはそんなに相続でもめることはないので、遺言書の内容と遺言書の保管場所は家族に伝えておきますね。


自筆証書遺言書の場合、死後に家庭裁判所で検認の手続きが必要となります。
検認の手続きをクリアーして初めて遺言書として有効なものとなります。
ただし、法務局の遺言書保管制度を利用する場合は検認の手続きは不要です。
一方、公正証書遺言書の場合も検認の手続きは不要です。