せっかくやった死後の準備が無駄にならないために
自分らしい最期を迎えるため、また残された家族に負担がかからないようにあらかじめ互助会に入ったりお墓の準備したりしたけど、そのことをちゃんと家族に伝えていますか?
私もいい年になってきて、同じ年代の人達も先立ってしまった人が増えてきました。
自分が死んだ後のこともしっかり考えておかなきゃと思っていろいろやっているんですよ。
そうですか、なかなか容易周到ですね。
具体的には何をしたんですか?
前に聞いた「エンディングノート」ってやつを自分なりに書いてみました。
それに自分の葬儀を行うために互助会にも入って、それからまあウチは相続でもめるってことはないでしょうけど遺言書も書いておきましたよ。
私の親が亡くなったときは何も準備していなくて大慌てだったので、子供たちにはそんな迷惑かけないように今のうちに全て段取りつけてあるんですよ。
これでいざとなっても安心してあの世にいけるってもんですね。
揉め事はなくても遺言書あるだけで相続手続きはかなりスムーズにできますからね。
ところでそのエンディングノートって家族の人に内容見せたりしたんですか?
いやぁ、さすがに中身を見られるのは恥ずかしいんで家族には書いていること自体内緒にしていますよ。
おっと!中身はともかくご自身がそういう準備をしているってことは家族に伝えておかないと、せっかくやった死後の準備が無駄になってしまうかもですよ。
えっ!いやお金は払っているし遺言書も書いてあるから、これで準備万全だと思ったのに…
ええ、そこまでの準備はちゃんとできていても問題はその準備してあるってことを誰も知らないってことなんですよ。
せっかく互助会に入っていても遺族の方はそれ知らなくて慌てて式場の手配したり、ってよくあるんですよ。
納骨まで終わって、ひと段落して親の形見の整理してたら互助会の案内やら遺言書が出てきたって…
ああ、それじゃあ私らしい葬儀のプランとか考えていたのに気づかれなかったらその通りやってもらえないってことですか。
お墓だってかっこいいの用意していたのに、適当な墓地に入れられたら恨んで出てきちゃうかも。
まあ互助会くらいは入っているのあらかじめ教えておいたほうがいいですよ。
またエンディングノートも中身はともかく、書いてあることだけは伝えておいて、「貸金庫に入っている、自分が死んだら開けるように」くらいは言っておいたほうがいいですね。
家族の誰かが知ってさえいれば、いざ自分が亡くなったときに、まずはエンディングノートを見て、後はそこに書いてある内容を実行してくれますから。
遺言書も見つけてもらわければ効果ないですからね。
さんざん面倒な手続きやって相続財産を整理した後に、ひょっこり遺言書が出てきて遺産分割のやり直しに…なんてことになったら2度手間どころじゃなくなってしまいますよ。
そうですね、とりあえず準備していることだけは家族に伝えておこうと思います。
せっかく準備したことが無駄になったら死んでも死に切れませんからね。
せっかく死後の準備をしていても気づかれないと無駄になってしまいます。
内容はともかくやっていることだけでも家族の方に伝えておきましょう。
なお、自筆証書遺言保管制度をつかって遺言書を残している場合、あらかじめ通知制度を申し込んでおけば自分が亡くなったときに遺言書保管所(法務局)から特定の人に遺言書がある旨の通知が届きます。
ですが、それでも時間はかかったりうまく受け取れない怖れもありますので、遺言書を遺言書保管所に預けている事をあらかじめ家族には伝えておいたほうが無難です。